我が国の若い世代の死因 第一位は『自殺』です

我が国は諸外国と比べ自殺者が多く、ピークの2003年には34,000人以上の方々が自らの命を絶ちました。
近年では、2022年における総自殺者数が2万1,881人(暫定値)。
厚生労働省によると、日本の自殺者総数は世界第3位で、人口10万人あたりの自殺者数で比較すると世界第10位、主要国首脳会議 (G8) の加盟国中ではロシアに次いで第2位となっています。

また、日本では若年層の自殺者が多く、小学生17人、中学生143人、高校生354人の合計514人にも上っています。さらに、30代までの死因の第一位が「自殺」となっています。
このように若者の死因の第 1 位が自殺であるのは日本のみであり、異常な事態と言えます。学生の自殺者が多い理由は、いじめや人間関係によるものと推測されます。
国立精神・神経医療研究センター・薬物依存研究部長の松本俊彦先生によると、「思春期に入ると子どもたちは急速に親に秘密を作るので、自殺が起きてから周りが騒然とするけれども、本当のところ何があったか分からない場合が多い」とのこと。また、「子どもたちは大人に比べると、比較的ささいなストレスで死を考える。なぜなら、子どもたちは人生のさまざまな選択肢を知らないから。小学4年生くらいまでは家庭、高校1年生くらいまでは学校が世界の全てで、そこで行き詰まると、世界が終わった感じがしてしまう」と。
SOSの出せない子どもたちの悩みにいち早く気づけるのは、周囲の子どもたち。松本俊彦先生のような専門家のアドバイスや指導を受け、悩みが解決できる道があることを示し、異変を感じたら行動できるように準備しておくことが必要です。